労災保険はどうして必要なのでしょうか?

コラム
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どうして労働災害保険に加入しなければならないのでしょうか。
そもそも労働災害保険は、保険に加入している事業所で働く労働者が業務上や通勤途中で怪我をしたり、最悪の場合には死亡してしまった時に保険給付をしてくれるというありがたい制度です。
労働者の福祉の増進に寄与することを目的としているのは明らかですが、どういうわけか会社は災害保険を使うのを渋る傾向にあります。

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会社が労働災害保険を使いたがらない理由

どうして会社は労働災害保険を使いたがらないのでしょうか。
それにはいくつかの理由がありますが、会社が災害申請を嫌がる理由は、例えば業務上で労働者の死傷病報告がなされると、労働基準監督署により災害事故の原因や、労働安全衛生規則などの法令違反がなかったかどうかを細かく調査されるからです。
その厳しさは会社の業務に支障をきたすほどで、場合によっては会社が行政指導で刑事告発を受ける可能性もあります。
そのため会社は極力労働災害保険を使わないような傾向があります。

会社が労働災害保険に加入しないとどうなる?

会社が労働災害保険に加入しないとどうなるのでしょうか。
会社が労災保険に加入していないことが発覚した場合には、保険料の遡上・追加徴収を受けます。
法律で労働災害保険に加入しなければならないと決められているからです。
それに反する行為ですから、当然罰則を受けます。
これに反した事業主は、例えばハローワークで求人掲載ができないなどのペナルティを受けることもあります。

労働災害保険と健康保険はどちらがお得?

労働災害保険と健康保険とでは、一体どちらがお得なのでしょうか。
金額的な観点から言えば、答えは労災害保険です。
雇用保険・健康保険・厚生年金は保険料を従業員と会社の双方が負担するのに対し、労働災害保険の支払いは100%会社負担です。
会社で働く従業員にとってはとても嬉しい制度ではないでしょうか。
問題は会社がそれを使うことを喜んでいないことです。

労働災害が発生した場合の給料はどうなる?

会社や事業所で労働災害が発生した場合の給料はどうなるのか気になります。
その場合ですが原則として、一定割合以上の労働災害給付は支給されません。
具体的には病気やケガの療養のために会社を休んだ場合ですが、最初の3日間のみ、平均賃金の60%を保証しなければならないと定められています。

労働災害保険を使わないと治療費は全額自己負担

それでは労働災害保険を使わないと一体どうなるのか。
労災害保険を使わないとなると、治療費は全額自己負担になります。
会社がそれを支払ってくれれば良いのですが、それは大企業に限られているのではないでしょうか。
多くの人が個人で支払い、泣き寝入りの状態です。
災害保険を受ける場合には、治療を受ける病院で怪我や病気の経緯等の説明を詳しく求められることもあります。
それは結構大変な作業となります。

労働災害保険では1日いくらもらえる?

具体的に労働災害保険では1日いくらもらえるのですか。
休業1日につき、給付基礎日額の80%がもらえるとなっています。
基礎日額が1万円の人では、8000円もらえるという計算になりますが、働かなくてもお金がもらえます。

労働災害保険と会社が支給する傷病手当とどちらがお得?

労働災害保険と会社が支給する傷病手当とどちらがお得なのですか。
災害保険は業務上の怪我や病気での給料に対してのみ支給されます。
その一方で、傷病手当金は、業務外のケガや病気による休業に対しても支給されますので、会社で働く従業員にとっては有利となっています。
災害保険による請求を取り下げて、会社が支給する傷病手当をもらう人が後を絶ちません。

労働基準監督署への報告

会社が労働災害保険を使用すれば、その影響はかなり大きいです。
また面倒なのが労働基準監督署への報告ではないでしょうか。
これは法律で決められているので、無視することは全くできません。
また労働災害保険を使用することで、会社の査定に響く場合もあります。
大企業は一般的に労働災害保険を利用することをいさぎよしとしません。

労災保険は義務なの?

それでは労災保険は義務なのでしょうか。
結論から先に申し上げますと、全ての法人事業所は、社会保険に加入することが義務付けられています。
その社会保険の中には労働災害保険も含まれるのです。
また労働災害保険は常勤、パート、アルバイト、派遣等の名称や雇用形態にかかわらず、準備することが義務付けられています。

労働災害保険の保険料は一体誰が支払うの?

労働災害保険の保険料は一体誰が支払うのですか。
これは実に簡単な話です。
労働災害保険の保険料は、その全額が事業主負担となっているので、会社で働く従業員にとってはありがたいのではないでしょうか。
それぞれの労働者がもらっている賃金に応じて災害の保険料が決められています。
それを支払うのは全額会社です。

まとめ

現場で発生した事故や怪我を災害保険扱いにするデメリットは大きいです。
具体的な項目は次のようになります。
新聞記事やテレビのニュースで大きく報道されてしまえば、会社にとってマイナス面もあります。

  1. 従業員から損害賠償請求を受ける可能性がある
  2. 労災にあった従業員の解雇が制限される
  3. 労災保険料が上がるケースが考えられます
  4. 行政の入札で指名停止処分を受けることがある
  5. 業種によっては行政処分を受けることがあります
  6. 刑事罰を受けることがある
  7. 報道などにより社会からの批判を受けることがある
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